【保存版】分析・検証・資料作成の力を高める!マーケ・IT職に必須の実践スキル

スキルアップ&資格

「数字を見て、ちゃんと考えてる?」
これは筆者がかつて、上司から言われて一番印象に残っている言葉です。

マーケターとして働き始めた当初、GoogleアナリティクスやExcelで数値を毎日のようにチェックしていたものの、「見て満足していた」だけだったことに気づかされました。
分析とは“数字を見ること”ではなく、“数字の裏にある行動や仮説を読み解くこと”。そして、それを「伝え、行動に変える力」まで含めてこそ、本当のスキルです。

この記事では、マーケティング職だけでなく、エンジニア・ディレクター・プランナーなどIT系職種すべてに必要な「分析」「検証」「資料作成」のスキルアップ方法を、実務目線で具体的に解説していきます。


分析スキルを高めるために見るべき指標とは?

目的から逆算する「KPI設計」の基本

KPI

分析に取りかかる際にまず大切なのは、「何のための施策か」を明確にすることです。
たとえば新しいLPを公開した場合、見るべき指標は「PV数」だけでは不十分です。
「LP遷移率」「CVR(コンバージョン率)」「直帰率」などを組み合わせて見なければ、課題の本質は見えてきません。

筆者が過去に携わったBtoBサービスの集客施策では、流入数だけでなく「その後の営業接触率」まで追いかけたことで、実は流入元によって顧客の質が大きく異なることが判明し、広告戦略を大きく見直すことになりました。

活用すべき基本のデータツール

  • Google Analytics:ユーザーの流入経路、ページごとの離脱率、セッション時間
  • Search Console:検索ワード、表示回数とCTR(クリック率)のギャップから改善点を発見
  • ヒートマップツール:スクロール率や注目ポイントを可視化し、UI改善に活用
  • CRMやMAツール:商談化率やLTV(顧客生涯価値)まで追いかけるなら必須

数値をただ眺めるのではなく、「どこに変化がありそうか?」「自分ならどこを改善したいか?」という視点で使うことで、数字は“自分の武器”になります。

比較から「気づき」を得る視点

単体の数字を見るだけでは、なかなか改善点は見つかりません。
重要なのは、比較軸を持つことです。

  • 前週・前月・前年など「時系列比較」
  • 新規ユーザーとリピーター、デバイス別、流入元別など「セグメント比較」

筆者が実務でよく使う手法は「Before/After比較」。
特定の施策実施前後の数値変化を見るだけで、仮説の精度が大きく上がります。

たとえば、CTA(問い合わせボタン)の文言を変更しただけで、クリック率が1.8倍になった事例もあります。数値変化の裏にある「ユーザー心理」まで想像できるようになると、分析は一気に楽しくなります。

効果検証スキルの伸ばし方|数字の“変化”に根拠を持つ

A/Bテストは「設計」がすべて

「数値が上がったから成功です!」
そう報告したとき、上司に「その結果は、どこまで信用できる?」と聞かれて言葉に詰まった経験があります。

効果検証は、実施前のテスト設計が肝。A/Bテストを行うなら、対象以外の要素を可能な限り統一することが大前提です。

  • 対象変数:例えばボタン文言のテストであれば、色や配置は統一する
  • 期間:曜日や時間帯によってアクセス傾向が変わる場合は期間を分けない
  • サンプルサイズ:判断を急がず、統計的に有意なデータを蓄積

筆者のケースでは、1日で判断して失敗したテストがありました。キャンペーンメールのクリック率を比較する際、たまたま休日だった前日と平日だった当日を比較してしまい、「改善」と勘違いしていたのです。

フレームワークで思考の抜け漏れを防ぐ

数字に対する考察や報告は、フレームワークを活用することで論理性と網羅性が高まります。

  • PDCA:Plan(仮説)→Do(実行)→Check(検証)→Act(改善)
  • Whyの深掘り:「なぜ?」を3〜5回繰り返して原因に迫る
  • 5W1H:When/Where/Who/What/Why/Howを明確に

特にWhyの深掘りは、定例ミーティングで重宝します。「CTRが下がった」ではなく、「なぜ下がったのか?」「他の要因は?」と議論できる人はチームに信頼されます。

変化を“伝える”にはビジュアルが命

定量分析は、社内・クライアント向けに納得感を出すことが重要です。数字の羅列ではなく、「グラフや図解」に落とし込むことで一目で理解されます。

筆者は必ず、Before/Afterのグラフや、サマリーボックスを入れるようにしています。

例:
【結果まとめ】
● CTAクリック率:1.2% → 2.1%(+75%)
● ページ遷移率:10.3% → 14.8%(+43.7%)
→ テキスト変更により、意図どおり「動線の注目度」が上がったと考えられる

言いたいことは数字以上に「その背景」や「次の打ち手」。ビジュアルとコメントを組み合わせてこそ、効果検証が活きてきます。
パワポ資料作成の具体テクニック|「伝わる」から「動かす」へ

最初に“結論”を置くスライド構成

報告資料や提案書で最も大切なのは、「言いたいことがすぐに伝わるか」です。

特に忙しい上司やクライアントは、じっくりスライドを読んでくれるとは限りません。だからこそ、最初に結論を置く(PREP法)構成を意識しましょう。

  • Point:一番伝えたい結論
  • Reason:その理由
  • Example:データや事例で裏付け
  • Point:もう一度結論を強調

筆者が新規案件の企画提案を行った際、「結論→理由→提案内容→メリット」という流れで構成したことで、プレゼン時間が短くても的確に意思決定まで持ち込めました。

見た目の工夫が“理解スピード”を上げる

ビジネスマン

スライドは“読む”のではなく、“一目で理解させる”ことが目的です。次のような点に気を配るだけで、資料の質が格段に上がります。

  • 1スライドあたり3要素までに絞る(例:見出し+要点2〜3)
  • 余白を多めにとり、視線の流れを意識
  • フォントや色を全体で統一(例:メイリオ+#333系)
  • グラフや図の色は、伝えたい部分を強調(例:赤やオレンジで差分)

特に社外向けの場合、資料のデザインひとつで信頼度が変わることも。読み手に「ちゃんと考えてるな」と思わせる工夫を盛り込みましょう。

ターゲット別に“伝え方”を調整する

誰に向けて話すかで、資料の構成や言葉遣いも変えるべきです。

ターゲット資料の特徴
経営層・上司要点を簡潔に、判断材料をシンプルにまとめる
現場メンバー背景や具体的施策を細かく記載、再現性を意識
クライアント専門用語は避け、ストーリー性と成果の可視化を重視

筆者は、社内会議用とクライアント向けで同じ内容の報告を「2種類」作ることがよくあります。相手によって“伝えるべき粒度”を変えることで、納得感も高まり、無駄な質問や齟齬も減りました。
スキルアップのために実践すべきこと|“明日からできる”3つの習慣

1. 優秀な資料やレポートを“分析”して学ぶ

良い資料を見たとき、「読みやすいな」で終わっていませんか?
スキルアップの第一歩は、他人のアウトプットを“分解”して学ぶことです。

筆者は毎回、上司や先輩の資料を見た際に「なぜこの構成なんだろう」「このグラフの強調色は何を意図してる?」と自分なりに分析しています。真似るだけでなく、理由まで考えることで、自分の「型」が自然と蓄積されていきます。

2. 毎週「1枚の振り返りスライド」を作る

地味だけど効果的なのが、週1スライド習慣です。業務で取り組んだ施策や学びを、1スライドにまとめるだけ。内容は簡単で構いません。

  • 何をしたか
  • 結果はどうだったか
  • そこから何を学んだか

これを繰り返すだけで、「言語化力」「構成力」「伝える力」が確実に鍛えられます。実際、筆者はこの習慣を始めてから、会議での発言にも自信が持てるようになりました。

3. 学びを実務で“試す”→“改善する”のPDCAを

インプットだけではスキルは定着しません。書籍やセミナーで得た知識は、必ず自分の業務に落とし込み、アウトプット→改善まで行いましょう。

例えば、資料のビジュアル改善を学んだなら、次回の社内資料で必ず試してみる。フィードバックをもらい、翌週にはさらに良くする。
このサイクルを回す人と回さない人では、半年後に大きな差がつきます。


まとめ|分析・検証・伝達力は「武器」になる

ここまで、分析 → 効果検証 → 資料作成というスキルサイクルについて解説してきました。

これらのスキルは、マーケターだけでなく、ディレクター・デザイナー・エンジニアなど、すべてのIT職種にとって欠かせない“共通言語”です。

数字を正しく読み、改善点を見出し、それを分かりやすく伝えて動かす──この力は、今後のキャリアにおいても確実にあなたの市場価値を高めてくれるはずです。

ぜひ、明日からの業務に小さなアクションを加え、「伝わる仕事」を積み重ねていきましょう。